シンガポール在住のエンジニア ナナフシです。
機械プラント製図技能検定1級・2級の受験に向けて、試験対策に迷っていませんか?
この記事は、
- 機械プラント製図技能検定の勉強を、どこから手を付けていいかわからない
- 実技の練習、学科勉強を始めたけど、この対策でいいのかわからない
というあなたに向けて書きました。
これまでに多くの後輩、部下の機械プラント製図受検を指導してきた筆者が、
- 試験の概要
- 実技試験の対策
- 学科試験の対策
について、丁寧に解説していきます。
機械プラント製図 2級・1級の対策には、過去問入手が必須
機械プラント製図の対策には、まず過去問の入手が必須です。
過去問を使って、
- 実技試験の練習
- 学科試験の苦手分野の把握
を進めていきます。
過去問の入手方法については、「【過去問入手法5選】2年分は無料で閲覧可/機械プラント製図技能検定 1級2級」にまとめています。
2級・1級 実技試験の対策
機械プラント製図を合格できるかどうかは、実技試験を制するかどうかで、決まります。
なぜなら、実技試験は、直前にその場しのぎで対策することができず、十分な練習が必要だからです。
実技試験の内容
中央職業能力開発協会HPの実技試験概要には、下記のとおり記載されています。
1級 次に掲げる製作等作業試験を行う。
出典:中央職業能力開発協会HP
実技試験問題(計算問題を含む)及び課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成する
2級 次に掲げる製作等作業試験を行う。
出典:中央職業能力開発協会HP
実技試験問題及び課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成する
試験時間が4~5時間なんて長いなーと思った方、課題の内容からすると全然長くないです。
本来の製図はもちろん100%を目指すべきですが、技能検定では100%を目指す必要はありません。
できるだけ減点されないようにすることが大切です。
実技試験の具体的な対策
実技試験の対策について、
- 必要な道具
- 練習の流れ
の2つの点から説明します。
実技に必要な持ち物を準備する
実技試験は、与えられた課題図から寸法を読み取るための道具が必要です。
たとえば、下記のアイテムです。
上に挙げた道具は、すべてが必要というわけではなく、自分が必要なものを当日持参します。
実技試験の持ち物チェックリストは、「機械プラント製図技能検定 実技に必要な持ち物リスト」にまとめてます。
どのアイテムを買いそろえるか、を決める際の参考にしてください。
実技試験の練習方法
必要な道具をそろえたら、早速、実技の練習に取り掛かります。
普段設計に携わっている方であっても、技能検定で必要な作業には慣れていないと思うので、ある程度回数をこなす必要があります。
できるだけ早い時期に練習をスタートしましょう。
具体的な練習の流れは下記のとおりです。
- 1過去問の課題図を原寸で印刷する
- 本番と同じ状態に慣れるため、原寸で出力しましょう
- 会社のプロッターが使えない場合は、自宅のプリンターでA4用紙にポスター印刷(拡大印刷)したものを貼り合わせてもいいですね
- 2ストップウォッチをセットする(時間を測る)
- 実技試験は時間との戦いです。始めのうちは、時間内に全然終わらないと思いますが、実力を知る上でも、始めの段階から時間を意識しましょう
- 3問題文を読む
- 重要な箇所は、マーキングしながら、問題文を読み込みます
- 特に、各投影図の配置、断面指示などは注意深くチェックします
- 問題文に書かれている、重要寸法(許容公差、幾何公差など)は、課題図に赤ペンで書き込んでいきます
- 4課題図の中の指定部品をマーキングする
- 課題図(組立図)の中の指示された部品をマーキングします
- マーキングすることでこれから採寸、作図する対象が明確になります
- 5指定部品の形状を把握する(読図)
- マーキングした部品を眺めながら、頭の中で3D化し形状をつかみます
- 読図力が不足していると、ここでつまづくこともあります
- 苦手な方は、始めのうちは模範解答図と課題図を見比べるトレーニングをしてもよいと思います
- 6寸法を測る(採寸する)
- 三角スケールなどを使って、指定部品の寸法を測定し、課題図に記入していきます
- (別の方法)寸法を測った後、課題図に記入せずに、直接該当箇所を作図する方法もあります。
- 2つめの方法は、三角スケールとマウスの持ち替えが頻繁になり、作業効率が低下するので、私は前者の方法が好みです
- 7図枠を作図する
- 問題文で指定された通りに、図枠を作成します
- 8指定部品の形状を作図する
- 採寸した情報をもとに、指定部品の作図をします
- 軸対称部は、CADのミラーコピーを活用するなど、いかに効率よく作図するかがカギです
- 9寸法を記入する
- 寸法を記入していきます
- 寸法漏れを防ぐため、やみくもに思いついた寸法から記入していくのではなく、寸法の優先順位をもとに記入してきます
(詳細は、「実技のコツ/頑張りを結果に繋げる!機械プラント製図技能検定 2級・1級」を参照)
- 10検図する
- 寸法漏れを発見する力を養うためにも、練習でも必ず検図しましょう
- 11模範解答図と見比べて自己採点する
- 解答を完成させたら、模範解答と照らし合わせて、図枠、形状、寸法を自己採点します
- 形状の間違い、寸法漏れを把握するのはもちろんのこと、寸法をどの投影図に、どこを基準にして、振っているのかも含めて確認しましょう
実技試験のコツについて詳しくは、「実技のコツ/頑張りを結果に繋げる!機械プラント製図技能検定 2級・1級」にまとめました。
2級・1級 学科試験対策
学科試験は、設計に携わっている方であれば、勉強無しでもある程度解けると思います。
しかし、油断は禁物です。
- 学科試験の概要
- 試験対策
について順に解説します。
学科試験の内容
- 真偽法 → 正誤を答える
- 四肢択一法 → 正しいもの、または、誤っているもの 1つを選ぶ
のことです。
平均すると、1問当たり2分で解答する必要があります。
学科の出題範囲は、大きく分けると下記の通りです。
学科試験の具体的な対策
技能検定の対策でもっとも注力すべきなのは、実技試験の練習ですが、学科試験も合格基準に達していなければ合格できないので手を抜けません。
学科試験の出題範囲は広いので、いかに効率よく短時間で勉強するかが、学科対策のポイントになります。
業務で使っている知識に関する問題は、特に勉強しなくても解けると思いますので、苦手分野を集中的に強化しましょう。
学科試験の効率的な勉強法については、「まだ間に合う!学科の勉強は効率的に進めよう 機械プラント製図技能検定1級2級」に詳しくまとめています。
機械プラント製図 技能検定 対策のまとめ
この記事では、機械プラント製図技能検定の対策について、
- 過去問の入手
- 実技試験の対策
- 機械プラント製図を合格できるかどうかは、実技試験を制するかどうかで、決まりる
- ある程度練習をこなす必要あり
- 学科試験の対策
- あまり対策に時間を割けないので、いかに短時間で効率的に対策するかがカギ
の3つのカテゴリに分けて、紹介しました。
実技試験は、ある程度練習が必要なので、実技に9割くらいの時間を割いて対策を進めるのがよいと思います。
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